1999年 「尖」京都市美術館  *画像内の作品をクリックすると、拡大図を見ることができます。


 "供養菩薩"の構成の様々なヴァリエーションを試みる内、やがて"構成単位"ともいうべき形体が現れます。細胞が分裂を繰り返し、新たな形体をつくり出すようなシステムが出来上がったわけです。ここでカットアウト作品を支え、保護するパネルや展示ケース無しに作品を増設、大型化する必要性が出てきました。これまでの膠をメディウムとする日本画材の使用では、強度などの点から制約があったのです。そこでメディウムをアクリルに切り替え、支持体も紙から何枚か重ねた麻布にすることで、カットアウト作品の大型化をはかりました。

 また、アクリルをメディウムにした顔料で数回シルクスクリーンプリントをおこない、凹凸をつけた表面は、その上に貼った銅箔の腐食作業にも耐えることが出来、金属箔を腐食させて架空の発掘品に見せることを可能にしました。私にとって金属の腐食は、単に古びさせるという効果だけではなく、作品に有機的なテクスチュアを与えることでもあります。人工物は真新しい時は無機的で無個性であっても、腐食や汚れなどの経年変化や破損といった個体ごとの経験によって、有機的な印象を持つようになります。そのような感覚を狙ったわけです。



構成単位



個展・グループ展

菩薩シリーズ